わたしのアパートの近所、団地の一階部分の店舗に入った喫茶店ブレンド一杯250円。おじさんが1人でやっていて、本棚には、バルテュスの画集や、ブラタモリや、風の立野ナウシカ全巻が並ぶ。神棚には、ブルースブラザーズのDVDがお供えしてあって、音楽は、相対性理論が流れている日もあれば、ジャズが流れている日もある。おばあちゃんたちの井戸端会議の場所であり、おじいさんたちが新聞を読む場所である、ここが、とてもすき。今日は風が気持ちいいから、とびらが全て開いていて、団地の街路樹の木漏れ日が差し込んで、舞ったほこりがキラキラしていた。カフェオレの、底に沈んだ、まだとけないコーヒーシュガーを、スプーンですくいあげたら、琥珀のように、チラチラかがやいた。うつくしい、金曜日。 ひかりはカメラには写らず、数分で消えた。