わたしは、ぬいぐるみ、かつ、母だった。  体重をすべてまかせて、ぎゅーってつぶれるくらいだきしめていいぬいぐるみだった。さみしいときには泣いてすがってだきついていい母だった。安心をもとめるばしょだった。 きみはわたしをだきしめたけど、わたしはどうやってだきしめればいいかわからない   ちからはきみがくわえるばかりで、きっとわたしがつぶれてもきづかないで、つぶれたわたしをだっこしつづけるのかもしれない