2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

思えばひりひりしているのはいつもこの季節かもしれない。たぶん、空間デザインの学生たちの大がかりなゼミが、毎年この時期あるのだ。わたしが絵を描く棟は、夜、そのゼミの会場になる。吹き抜けのある大きなその棟の電気はすべて消されて、ある年は5階か…

あたまのいいおんなが一番すき。でも、ばかなおんなが一番きらい。ばかなおとこよりもずっと。すききらいの話。

帰省したその日、わたしはおじいちゃんの部屋に行き、おじいちゃんがベッドから落としたテレビのリモコンを広って、うまく動かせないその体勢をなおした。「またくるね」と言って部屋を出るわたしのほうを、おじいちゃんは、じっと見ていた。不自然に首をお…

人はたしかに居て、自分と同じ世界を見ているのか、そんなこと全部不確かだというのに、自分が在るということだけは確か。その確かさが罪深い。世界を連れてこい

盲目のおじいさん

ご主人の制服を着た楽隊員の未亡人。 ほら、舗道よ。 看板の馬の耳がないわ。 花屋のご主人の笑い声、笑うと目に皺が。 お菓子屋の店先に飴細工が。 この匂いわかる? 果物屋さんがメロンの試食を。 美味しそうなアイスクリーム! 総菜屋さんの前よ。ハム、…

髪の毛を20センチくらい切って、あごまでくらいの長さになって、とてもいいです。わたしはショートカットの人生になりそうです。それで、女の人生いーじーもーどとかって見るとどうしても辛くドヨンとする。女の人生いーじーもーどって言うひとは、そんなに…

数年前、映画のエキストラに参加した。学生運動のころを舞台にした映画で、わたしは運動する学生のひとりだったが、ほかのみんなが衣装を着替えたり髪を結えたりしてもらっているなか、わたしは私服のまま、髪の毛もほとんどいじられないのであった。

人びとに平等に訪れる美しさがある。 桜や、雪や、夕日。有無も言わさず全員に与えられる美しさを前にしたとき、人びとは厳粛になる。 恐ろしさが訪れたときも同じようになる。地震が起こった、その恐ろしさがまだ生々しく残っていた数週間、人びとの身のこ…

わたしは、クラスにいる、顔の造形はきれいだけど大人しかったり地味だったりするためにそれを認知されていない女の子に、「わたし、−ちゃんはすごいきれいだとおもうよ」などとよく言っていたのだけれど、もう23歳にもなると、みんな言われなくてももう自分…