岩井俊二は、映画「花とアリス」のインタビューで「きれいな子たちを描こうとはおもわなかった。行きつくところがきれいだとしても、入り口は残酷にしようとおもった」と言っていた。そのような。  かなしいことやこわいことが描かれていたわけじゃないのに、観おわったあとぐったりする映画のような。  暗い暗い色を地塗りして、その上からきれいな真っ白を塗るような。  いくら青春にかこまれたって拭いきれない、そういう、少女の残酷性。わたしにしみこんでいる