秋葉原の駅で電車に乗ってきた男のひとがいた。 そのひとはわたしの前で立ち止まり、唇の片端をひくひくとつり上げて、涙の代わりにぎっとりと油を溜めたような目で、制服のわたしを舐めるように、だけどじくじく挿すように見据えた。光ともつかない、鈍すぎるぬらりとした濁りをちらつかせていたそのひとの目は怖くて、わたしは小さく悲鳴をあげた。
あのひとはわたしを「少女」として見ただろう。高校生のわたしは怖くて逃げ出したけど、あの目の眼中に入ることは、もうないのかもしれないと、今となってはあの目を忘れまいとしています 少女趣味の男のひとから、自分のおんなの段階を読む