きらいなひととも話し、きらいなものも食べ、きらいなことも学び、きらいな服も着て、きらいなところへも行き、きらいなこともする、それが大人になるということみたいです わたしもそろそろそうしないといけないようです。  だけどすきなひととだけ話し、すきなものだけ食べ、すきなことだけ学び、すきな服だけを着て、すきなところへだけ行き、すきなことだけする、それではほんとうに大人にはなれないのでしょうか。そのまま成長だけしたらほんとうに魅力のないひとになってしまうのでしょうか。  きらいなことに屈したら、得ることもあるとおもうけど、貴重なものをなくすこともあるとおもうからこわい。   わたしがいっぱいすきな映画を観てもすきな本を読んでも、そんなところで得たものは大人にとってはただの机上の空論  直接的な表現はあまりすきではないから、曖昧な表現をいっぱい使うわたしのわかりづらい言葉は、大人にとっては最近の子供の語彙力低下の現れでしかない  知識量なんて関係なかった、大人にとってはわたしはただの世間知らずの子供だった。 「いいかげんおとなになりなさい」わたしを笑う大人の目が言う