死刑宣告 (愛蔵版詩集シリーズ)

死刑宣告 (愛蔵版詩集シリーズ)

高校のとき司書の先生にねだったら、置いておいても誰も読まないからとくれた本。文字を大小させたり絵やコラージュ写真を載せたりと、本のページの構成がとてもおもしろくて、大正に発行されていたとはおもえません。最近のインターネットに流れることばに似た絶望を感じるけど、今とはちがうものすごいパワーがある。

何物かを神聖化していねば、安心していられない群羊!神聖化する事によって自らを瞞着し、価値を認めようとする臆病!汝自身を常に不自由に一つの檻をつくって監禁し、汝自身を定形によって住まわせねば安眠出来ぬ神経衰弱者!

いちばん最後の神経衰弱者はとても現代的だとおもった。絶望を持って閉じこもる現代人にくらべたら、絶望を外に爆発させることができた作者はずっと進歩的