一番好きな花は?と聞かれたらなんて答えよう と良く考えるけど、最近は木になる花がすきだ。コブシとクチナシの花は見分けがつかないけどすき、甘ったるい匂いをさせるのはどちらなんだろう、そっちが特にすき。サザンカとツバキも見分けがつかないけどすき、特に赤と白の入り混じった花の、水たまりの地面に落ちてぐずぐずになった様子がすき。    1ヵ月近く実家に帰っているのでこのところそういうことを落ち着いて考えられるようになってきた。    マーチの大学に通う友だちのいかにも学生らしい恋の話や、女の子にもてる後輩の男の子の夢の話を聞いていると、それはなんだか生物でバクテリオファージを教わったときと同じくらい不思議で真新しい。   そういう話はわたしは苦手だけどここ最近はすんなり入ってくる、わりと良い意味で、わたしの意見をはさむ気にもならない。  「あーサクラが咲く直前の、枝全体が赤っぽくなるのキレイだよね」と考えてるときのような心持ちでひとの話を聞いている、これは会話じゃなくて、ひとの話を聞いている。入社試験に全身真っ白で行って「御社色に染めてください!!」って言うひといるんだって。ヒャー。  いまわたしは柔和