胸の中心あたりで蜘蛛の子が散る。大量の蜘蛛の子が散って、散り続けて、脳天や指先からだんだんぎゅうぎゅうに、体中に蜘蛛の子が詰まっていく感じ。   いちばん清純なふうの友だちの、とても汚い話を聞いて。トイレでって、あんた、アメリカ人か。お客さんのタオルを洗濯機に突っ込みながら、吐き気を我慢して涙が出た。もう、よくわからなくなってきた、このところの一連の、みんなの、突然の、たくさんの、生殖活動。どうした、みんな、急に生物みたいになって。すきじゃない人に触られたらわたしは吐きそうになった。だからやめた。一連のみんなは、みんな、全員、1人残らず、ほんとうに大好きな人を見つけたの、ほんとうなの。今まで動物じゃなくて人間ですというような形で生きてきたわけだから、そこのところ、重要なんじゃないの。 やっぱりアリスのお茶会を感じる。素敵なおみやげ話のない子どものアリスがお茶会に行けないように、みんなお茶会に持っていく、おみやげセックスで忙しい。  そんなことないよ、みんな大好き同士なんだもんね、それなら、いいんだ、ほんとうにたくさんの奇跡をおめでとう
『その魔窟のカアテンのすきまから、月光がしのびこんで、私の枕もとに真四角の月かげを落としていたのだ。凝然とした。私は、月から手紙をもらった。』(太宰治「懶惰の歌留多」) すごい綺麗だ、綺麗だ、綺麗だ、心が、洗われた。わたしは、こういう綺麗を体現する。