かるた

法律かいくぐってるガールズバーの向かいのお店、ちっちゃい受付の中で、わたしは首がじくじく痛かゆく、痕が、傷みたいにすーっと一本、もうとれない。今日はとても気分が悪くて、4時いま現在、腕がじわじわ赤くなってきちゃった。   今日はアトリエに教授が来た。はじめて話すその教授は顔が赤くて、毛穴がひとつひとつはっきりくぼんで、わたしは自分の思っていることを全くうまく伝えられないまま、教授の返答を噛み砕くのに必死で頭がぱんぱんになり、いろんな脈がどきどきしてきた、血が重たい。    ちっちゃい受付の中で、ぼそぼそ「バージンブルース」を歌ったわたしは、わたしを、こうして活字にしてちょっとでも画にしないと、ぐらぐら。    きみの顔はやっぱり逆光でよく見えないなあ、後ろに立つ電灯の強い光で、夜の闇に、きみの顔は紺色。髪は端の方がしぱしぱと透けて明るいけど、きみ、染めたな。わたしの髪は真っ黒いままに、まゆげも、いじるのあまり嫌いだから、ほとんど顔、変わってないだろう。わたしを、子供のように見下げて、わたしの涙の滲んだ本気は、俗のきみにへしょんと微笑で潰された。きみに嫌われるなら、そっち側に進んでいればよかった。もう手遅れ。そんなこと言って、ぜんぶぜんぶ、この美しくない容姿のため。    処女の価値は男がプレゼントしたのに、女が返してくれないって。青の時代の気がする    バイトから返ってくると、わたしの部屋のドアの前にたまにネコがいて、目のまわりが黒いから、ギャルちゃん。