夜なのに、垣根のカットを無視した若い葉っぱたちが、太陽を求めてにょきにょき伸びて光っていた。あんまりつるつるしてキレイなので、わたしはたくさん指でつまんで触った。          金曜夜の新宿には飲み会終りのサラリーマンたちがあふれていて、道端のコーンを投げているひともいた。ああわたし、なんで就職できていないんだろう、と言ったら、あのひとたち以下だからだよ、と言われた、ふうん、そうか。髪を切ったら友達に、「セイラマスみたいだよ」って言われて、わたし、セイラマスってよく知らないけど、そんなブツ切りに見えるのかな。だからね、どんなにか、 それでも男ですか、軟弱者! って言おうかと思った。いま知ったばかりの情報だってすぐ使う。          新宿マルイの屋上庭園の葉っぱには、アブラムシがびっしりついていた。