アルバイトで頑張って稼いだ8000円を、発泡スチロールのかたまりを買うことにつかってしまうわたしたちは、その買い物のしようは、かっこいいとおもう。  コンロのまわりにはねた油をきれいにふき取り、明日の朝に食べるラフランスを剥き、明日のお弁当を作ったら、もうこんな時間。   一秒一秒が、カチ、カチ、一秒目の秒針が、二秒目の秒針が、わたしに刺さってくる、四秒目も、五秒目も、ぜんぶわたしに刺さってくる。「退屈」と口にはしてみますが、そんなの、多すぎる意味をすこしでも無視するための方便 すべての秒に意味がありすぎて、わたしを寝かせてくれないわけ       おまえ、七五三の写真は一生残るんだぞ、なのにおまえ、なんだそれは、なんだそのぱっつんは、みっともねえな、みっともねえよ、なんでそんなふうにしちまったんだ、美容師さんもよ、みっともねえよ、おまえ、残るんだぞ、それ、みっともねえよなあ、ぱっつんにされちまってよ、おめえ、なあ。  と、スーパーのレジでわたしの後ろに並んでいた男の人が、連れていた子供に言っていた。 わたしは、自分の前髪を見られないことに必死だった くろまめもやし