いつかなくなるまちに住んでいる。 近い将来くるこの巨大なまちが崩壊する日 そうしたら、村上春樹の灰色の都市はなに色になる、椎名林檎の豪雨の新宿は、もううつろな顔をしちゃいけなくなるのかな、くるりの男の子は、どこから君に電話をすればいい、アラーキーのベランダはそのままに。  描かれた東京、わたしたちの思い出や喜びや悲しみを乗せて消費されていた、誰かに描かれた東京像は、いつかその現実的な崩壊をもって、きっと手の届かないところへ行ってしまう。 それぞれの作品は今と全くちがうものになってしまうのだ。  いつかなくなるまちに住んでいる