http://www.youtube.com/watch?v=h3vLDYZAZ_4
「このコントのしたらみたい」と、高校生のころ言われたけど、このあいだもまた言われた。たしかに「なんで言わないの?」とはよく言われる。  たとえば、わたしが美術館に黙って1人で行くと、後日それを知ったひとが「なんで言わないの?一緒に行ったのに」と言うことがある。どうやら、たぶんそのひとは、できることなら誰かと一緒に行きたかったとわたしが思っていると考えていて、さらにその想像の希望に沿うようにすることでわたしへの好意をあらわそうとしてくれているのだ。ひとの希望に沿うようにすることが愛情だとおもっているひと。それだけならいいんだけど、そういうひとは、わたしに対しても同じことを求めてくることがある。自分の希望に沿うようにしてくれることこそひとの愛情だとおもっている。わたしたち友だちだよね、ぼくたち恋人だよね、という圧力。大なり小なり、希望をぽっと空中に発して、それをわたしが愛情でもってキャッチするかどうかを彼らが試している、そのときわたしはそもそも希望が空中に発されたこと自体に気づいていないふりをしてノラリクラリ、その様子が、このしたらっぽいとおもえば、「このコントのしたらみたい」と言われたこと、まるくおさまった。