女の人が束になることで1人の男の人を無下に扱ってもいいようになる状況はよくあるけれど、いつのまにかわたしもその束の1人にさせられているときの、どういう顔をしていいか分からなさ。しかたないから、お寿司を食べた、食べた、アジ、コハダ、大トロ、穴子、卵焼き、イクラ、甘エビ・・それを見つけたおじさんが「−はパクパク食べるねえ。おいしい?」と聞いてくるまで。そうしてやっとわたしは外側から、束になることへの無関心の顔を着せてもらえた。  紅の豚のピッコロのおやじの工場の、親戚一同の女性たちくらい、魅力的な束だったら、入ってもいいのよ。