わたしのクロッキー帳のほとんどが背中をかいたもので占められているところからしても、わたしはきっと背中がすき。すきというかいんしょうてき。わたしの頭に残っている光景のなかに、背中が多いからかもしれない。肩甲骨とか背骨のきれいさもさることながら、背の低いわたしにとってまるで壁のように、わたしを隔離してつきはなす背中のひろさは、顔なんかよりよっぽどあたまにやきついてはなれない