わたしのすきなある作家はとても美しい わたしは美しくない

ある作品を、美しいひとが作ったのと、美しくないひとが作ったのでは意味がちがってくる。作品の意味に優劣はないとおもうけど、ほんとうにちがってくる こんなにもちがってくる   ひとの手から離れたはずの作品に、そこにも意味をかぶせてくる「ひとの容姿」ってなんなんだろう   たとえば、松井冬子をけなしているのではないけど、松井冬子の作品にはやっぱり彼女が美しいということがどうしても関係してくる   美しくないひとからみたら、作者の美しさによる作品の意味ってぜったい手に入らない強靭なものだ 作品という、ひとの中身から作り出せて手から離れていく、美しくないひとにとって貴重な表現方法にまで手を伸ばしてきた「ひとの容姿」の優劣はほんとうにおそろしい おそろしい、かなうわけがないんだから そうおもったらほんとうに涙が出ていた