わたしは電車の吊革につかまりながら、あとの片手で本を読む。わたしの手はほんとうに痛々しく荒れているので、前に座るきれいな女の人は爪につやつやのマニキュアをした手で携帯を握り、吊革のわたしの手をちらっと見る。夜なので窓ガラスにははっきりと、何か月も切っていない髪を肩に乗せる美しくないわたしが映るのだった。      今日は友だちとお出かけをしました、知らない小道に二人で入ってみたり、今日はとても天気のよくてうれしかったです、夜中に裸になるくらいこらっで許してあげてね、がしゅういんたつやはガーシュウィンがすきなのかとおもいました、新しいバイトは古い喫茶店にしようかと思っています、明日はまた少し寒いようです、最近は学校で知らない子とも話してみたりよいふうに進んでいます     このところ絵を描いてない。頭がうまくうごかない。涙が出たので指に取って電気にかざしてみるととても濁っていた。悲しいと体液を目からだだ漏れにする、汚らしい人だとおもった。子供はいつの間に親以外の愛情まで欲し始める?