わたしがこれ以上醜くなって、年老いて、すきな男の人からも触れてもらえなくなったら、わたし、どうしたらいいんだろう。   わたしの素材は醜くなっていく。薬を塗ると肌はぴりぴりと薄く弱くなり、塗らなければちくちくわたしを刺す。   なんでこんなふうに、わたしは醜くならなくちゃいけない。肌を焼いて自殺した男の子の気持ちを、わたしは理解してあげ続ける。   どうしてこんな目に。灼けた太い脚をさらす人が溢れる夏の電車。そんなものさえわたしよりはきっと美しい。面接に行った喫茶店の店長は「その手は大丈夫なわけ?」と言った。そこで初めてわたしのコンプレックスは社会とも結びついたよ。   昨日は浴衣を着て花火にでかけた。しあわせだ。