戦争も知らない、戦後復興も知らない、学生運動も知らない、みんなで共通のなにかに向かって突き進んだ経験のないわたしの世代にとって、この、今の感覚は、初めてのものかもしれない。     毎日ニュースを見て震える思いです。あまりにも恐ろしい映像の強烈さで、なんだかあまり、食べてはいけないような気がしてきて、なんとなくいつもよりご飯を少なめにしてみたりする。わたしも妹も、テレビを見て泣いた。      わたしの世代は、みんなが一人のアイドルに夢中になることもなかった。趣味は多種多様になって、細分化していた。みんなで同じ方を見て生きるというより、これは決して悪いことだとは思わないけど、各々が自分の方向を見て生きてきたと思うのです。盲目で取り組む就活だって、それは世の中のためじゃなくて、自分のため、たぶん 自分のため というのを、何よりの高い価値として生きてきたと思うのです。     そんな傾向のあるわたしの世代にとって、「みんなで日本のために何かをしなければ」という、今回のこの感覚は、初めてのものです。これはたぶん、不謹慎ではないと思う。ほんとうに悲しさでいっぱいで、だけどなんだか力も漲っているのですね。