からだがよわいと断られつづけあたまもおかしくなる   本をよんだわたしに身についたことといえば価値の転換の思想  弱いものが強いこと、醜いものが綺れいなこと、絶望が美しいこと、ほんらい負であるイメージを反転させてしまうことだそれは自己肯定であり、なにより世界への愛でもあるのよ   その思想をもっともつよくもちつづけてきたわたしは、それが反社会的であることをいま知った     中学生のときだいすきだった男のこはわたしと正反対の女のこと付き合っていた。わたしに比べ肌が黒く、口が大きく、足が大きく、元気で、明るく、活発な女のこと付き合っていた。    あのときの絶望が、世界という巨大なスケールに代わり、またわたしを襲っている。   世界が愛するのは、全くわたしと正反対のものであった      からだよわい、と世界につっぱねられたわたしは、あの女のこの大きな足に、いまプチとつぶされるところ