6時半の薄暗い波打ち際で貝を拾っていたら、しぶきがぴちぴちとほっぺたや腕にくっついて、わたしをべとべとにした。 二つ年下の男の子の友だちがわたしには二人居て、わたしをお酒に誘ってくれる。わたしは、どうも最近、いや前からだけど、わたしは、本とかクラシックとかラジオとか映画とかF1とかバイクの名前とか、ちょっとだけわたしが知っていることが、微妙な立ち位置の男の子の趣味と同じであったりして、そのことはそういう男の子の「趣味の合う女がいないからだ」という言い訳を突破することができ、さらにわたしの容貌が、そういった男の子の「おんなのこコワイ」の気持ちを起こさせない、付けまつげとかしてない地味なものであり、レベル的にも下の上か、中の下か、話すことに勇気の要されないランクであり、もしなにかあっても、いや、アウト、いやでも電気消せばセーフかな?という姿形であること これだ、これだよなあとしょっちゅう考えて、まあそうじゃなくても面白いからそれでいいやとニヤニヤする。「ごめん歯抜いたばっかりだからお酒飲めないんだ」なんか若い時の薬師丸ひろこみたいに髪の毛が盛り上がってくるのですが わたしもきれいになりたいなあ、この海には、ろくな貝が落ちていない