星か?と思ったそれは、すっかり茂った桜並木の葉っぱに、こま切れにされた団地の窓の光だった。蛍光灯や白熱灯や、それぞれのカーテンが透かした光の数々は、火星と金星の色のちがいくらい、微妙な差をもって繊細に瞬いていたのです。   自転車で疾走してるとき、わたしは一番ものを考える。この時間がなくなったら、わたしの青春は終わりかもしれないな、と思った。