誰もいない夜の、うすい黄緑色に光る長いホームに立っていると、踊りが踊りたくなってくる。ホームの先端まで走っていってもいいし、柱の後ろに隠れたり、周りをくるりと回ってもいい。白線の上で、美しいポーズをとってもいい。    わたしは踊れないから、だめなんだけど。



山口小夜子は、ただそこに居るだけで、“踊っている”ように思える。空間を異質にするという意味で。