「ヒトが直立歩行するにつれて、雌の膣の角度が、身体に垂直であったサル時代の角度から身体に平行になってきたといわれ、立ったままの性行為では、あとで精液が流れ出てしまって、生殖という目的が果たされない。そこで、ヒトは横に寝て性を楽しむことを覚えた。しかも、精液が長く膣内にとどまるように、エクスタシーを開発し、その余韻が長く続いて、雌が行為後も、すぐに立ち上がらないで横に伏せているようになった、というのである。恋だの愛だのといった戯言も、横に伏せたまま受胎の時間をかせぐために発明された詐術にすぎまい。愛とか絶望から発した文学や芸術も、膣の角度が九〇度変わったためだといえなくもない。」
このようにヒューマニスティックな妄想を断ち切ったあなたは、デュシャンの形而上的でクールなエロティシズムを楽しんではいかが?と言う、東野芳明マルセル・デュシャン「遺作論」以後』に、なんてカッコイイのよ、とおもいながらつくる、柿の白和え、おいしい。