なんだかひゅーっと体重が減りつつあって、背中の肉が落ちてしまい、わたしの好きな肩の紐のない下着が、するする下がってしまうので着られない。 わたしを締めつけていた着物を脱いで店をでると、あんまり気持ちのいい夜風がふいていた。「しにたいような風」たばこが吸えたらよかったな、たばこが吸えたら、きっと傍観者になっていたろうな。わたしはたばこが吸えないので、仕方ないから、小指を唇の端にかけて、横にひっぱった。「意識を正常にした」ああわたしの内面に期待する男の子の仮想をしりました、そしてその仮想を食いものにしていた自分の卑しさもしりました、でもわたしこんなにも1人ですし、どうか、ゆるしてくださいね。ね、という字の、最後くるんとまわった先を、すこし長めにのばして、しっかりと「とめ」たら、夜風ののきもちい帰り道、他人の、世界は、ちょっとだけ聞く耳をもつ。