中学の同窓会のお誘いの返信をあしぶみしているあいだに一週間経った。同窓会は成人式のあとに一回参加したけれど、あのとき味わった性欲の渦はすごかった。同窓会って、かつてのあのかわいい女の子、スポーツ万能な男の子、真面目な女の子、冴えない男の子が、どんな大人になったのかを感じられる場所なのかとおもっていたら、全然そうではなくて、ただ、いま、ここ、の女の子と男の子の出会う場だった。 中学生当時ちびっこで、ユーゴスラビアというあだ名だった男の子が無精ひげを生やした姿でお酒のコールをし始めたところでわたしの目は完全に濁った。  ただ、わたしは二十歳のころよりずいぶんこころが柔らかくなっているので、またちがう見え方がするかもしれない、という希望に髪をひっぱられるわけですが、「じゃあ行けばいいじゃん」と言われたらほんとうにそうで、ひとが同窓会に行くか行かないかなんてどうでもいい話をしてしまったつぐないにわたしが言えることといったら、オランダ戦で松木がオオサコのことをオオサカって言ってたことと、「やつはとんでもないものを盗んでいきました。あなたのバイクです。」というネタだけ。