のみかい沼

大人になったら、「どんなひとがすきなの?」という質問に、スマートに答えられるようになるんだろうとおもっていたのに、わたしときたら、いまも、しどろもどろしている。みなさんは、どんなふうに、答えていますか。わたしは、まず、この「どんなひと」という曖昧な対象がわからない。そのような曖昧な対象に恋いこがれたことがない。「背が高いひとがすき?」いやあ…「スポーツができるひとがすき?」いやあ… しどろもどろするほどに場が白けていくのを感じながら、ほんとうにわからない。背が高い“誰か”のことが、スポーツができる“誰か”のことが、そんな曖昧な”誰か”のことが、すきかどうかをどうして判断できるのか、わたしはわからない。 向井理とでも星野源とでもこたえておけばすんだ時間が1分2分とすぎてゆき、このゴールがみえないやりとりに飽きたひとが、わたしへ「ミステリアス」の形容詞をあたえたところで話は終わりをむかえる。 だけど、まだまだ沼はふかい、次はこうです、「〇〇さんてミステリアスだよね、休みの日なにしてるの?」……