わたしは、あまりたくさんの男のひとと関係をもつ女のひとの気持ちはわかりませんが、「この歌のような朝帰りの瞬間を何度も味わいたいのよ」というのが理由であるのならば、わかる。ああ、あの瞬間の空気はどうして、まるで霧がたちこめているときのように、しっとりとしているの。あの瞬間を味わっているときだけは、茨木のり子が言う「ぎらりと光るダイヤのような日」に、「本当に生きた日」に、身を置いているような気持ちになれる。


そして、あの瞬間の男のひとはこんなにもたのしそう。