ラーメンたべたい

女のひとと、性的な関係を結ぶ可能性がないとわかったとたんに、男のひとの態度が変わることはよくある。このとき、女のひとは友達をひとり失ったような気持ちになる。そもそも友達でもなんでもなかったのだという気持ちになる。あのひとにとっては、わたしの、女であるという部分が重要だったのであって、わたしの人格や内面は、性的な関係を結ぶ可能性がないとわかった上では、なくてもよい程度のものであったのだ、とおもう。ああ、むなしい。こんなことなら、男のひとに生まれて、性的な関係のないところで、人格や内面をおもしろがってもらいたかった。友達になりたかった。ああ、この気持ちをなんと言おう。
この気持ちを「ラーメンたべたい」というポップな言葉におとしこんだのが矢野顕子だとおもっています。「男もつらいけど 女もつらいのよ 友達になれたらいいのに」