夏の夜のにおいと風でどきどきが止まらない! 車道へ通じる坂ではブレーキを踏まずに猛スピードでそのまま下り続けたい。むねいっぱい吸い込んだ夏の空気がわたしの肺を侵食してわたしごと夏の空気になれてしまったらどれだけ気持ちが良いだろう。 夏に狂う…
若者が書いた苦しい小説を読みながら、銀行でわたしの通帳ができあがるのを待っていた。わたしが息をしてわたしの胸が膨らむのがわかる。登場人物たちはくるしそうに潮風を吸っている。でも、わたしの後ろでは「お客さまー、傘をお忘れです」って銀行員のお…
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