あれ、世界はもう少し、薄紫掛かってはいなかったっけ。 なんだかわたし、どうもうまく育たなかったぞ  同窓会のこと考えたら、虫唾が走るわたしになっちゃったのは、いつから。     あたまが、おかしくなっちゃいそう、と、わたしは歩きながら口から垂れ流していて、ゲオで借りたビデオは、松ケ根乱射事件と、自殺サークルで、レシート見て、字面暗さにびっくりしたけど、わたしは最初の雪景色で泣いていて、新井浩文の目がかっこいい。      今日は雨で、わたしの黒い手袋は湿って気持ち悪いし、歩いてたら、わたしは、地面に足がずんずん当たるたび、何か口から出ちゃいそう。    いつもうちに来る同い年くらいの新聞屋のお兄さんと、来るたびたくさんしゃべって、お兄さんの旅行の話を聞いたり、そうしてわたしは、ばかのように1人だけど、これはどうもわたしはうまいこと育たなかったぞ     どうやらみんな毛穴までよく見える明るい蛍光灯の下で味気ない色を放っていますが、もうちょっと世界は、薄紫掛かっていなかったっけ。逆光では人の顔は良く見えないほどの深い群青色に染まるのではなかったっけ、照らされたほっぺたは、山吹色や若草色に光るんじゃなかったっけ。もうちょっと世界は。