ただパソコンをするだけなのに、なんとなく浴衣に着替えたのです。中学生のときに買ってもらった、撫子模様の浴衣。そうしてちゃぶ台の前でお姉さん座りをすると帯がアコーディオンを縮めたときのようにだんだんになって、呼吸をするたびぎしぎし言うのです。喘息のとき、ひゅうひゅう言ったのどみたいに。   ぎしぎし、わたしの口から詩は出るのかな。ひゅうひゅうとは、出ていたのだけど。   これから、死ぬまでに、まだたくさんなにかを作ったり、本を読んだり、映画を観たり、人と話したりできるのかとおもうと、わたしは希望でいっぱい。