かぜたちぬ

飛行機の設計を目指す少年の夢に現れる、その先駆者のイタリア人カプローニは、少年に、その夢の美しさ、そして恐ろしさを謳う。少年に向けられるその言葉は、同時に、わたしたち現代の「日本の少年」にも向けられている。 寺山修司の、「美しすぎる童話を愛読したものは、大人になってからその童話に復讐される」という言葉の、カプローニはまさに「美しすぎる童話」だ。あるいは、みやざきはやお自身が、わたしたちにとっての「美しすぎる童話」になって、わたしたちへ、映画をつうじて激励と呪いの祝福を与えているようで わたしはじわじわ泣いたのでした。