夏目漱石の『こころ』について 「もう一章あってもよかったんではないか。先生の遺志をどう受け止めたのか。残された奥さんはどうなるのか。という問題が残るから。書かれなかった4つめの章の展開を私ども小説家は勘ぐるのです」という内容の島田雅彦の発言に対して、伊集院光は「僕は絶対自殺してほしくないから、“私”が死の連鎖、真面目の呪いを断ち切る何かがほしい。死なない、真面目で死なない、世を憂えても、真面目に世の中のことを考えて歳をとっても死なない。そういうのが僕の好きな第4章です。」と答えていた。真面目で死なない大人って、わたしはなんだかとても格好良くて強いと思いました。子ども時代にしがみつかない、でも子ども時代を捨てない、汚い汗もかくけれど、とても格好良い生き方だと思いました。