そう思うと、i love you が「月がきれいですね」であることを、もっとわかるような気がする。ふたりが絶対的に別の存在であること認めたうえで、それでもなおある世界の圧倒的な美しさを、月のきれいさに託して共有することで、さみしさを噛みしめるような愛を実現しているように思える。わたしたちは別の存在だけど、あのきれいな月だけは、いっしょにきれいだと思うことができますね、という一縷の希望を、ふたりで握っているように思える。

そう思うと、夏目漱石とわたしが絶対的に別の存在であるということを無視して、漱石先生最高です!と抱きつきたい気持ちが抑えきれくなっちゃうので、漱石先生にまだまだですねとつっぱねられる。