彼は、彼のゴミだらけの部屋の、ロフトに通じるはしごに腰掛けた彼女におもわず、「掃き溜めに降りたった天使みたいだね」と言った。彼はつらくさみしい生活からの救済を、彼女は特別じゃない自分への意味づけを、宙に浮いた「天使」という言葉に見た。二人はずっと見ていた。二人はもうそこからずっと、それしか見ていなかった。