わたしひいおばあさんがいつもくれた宇津救命丸の味が忘れられなくて、ひいおばあさんが死んでしまってから、よく引き出しのなかを探していました。いまもお菓子のうえのアラザンをみると、あのべろのすきまに入りこむような苦い味が思いだされて、口のなかをゆっくり泳がせては、うっとりしているんです。