ひふとこころ 俗物版

ここ数日肌の炎症がおさまらずいまこそはわたしはしにたいとおもえる。 わたしは肌がつるつるのときはじめて、若いおんながただ若いおんなであるだけで持つことのできる魅力をえることができる。だからつるつるでないいま、わたしには若いおんなであれば無条件で持つことのできる魅力さえもない。 肌がつるつるでないときわたしは電気を消してもきっとアウト。触り心地が、きもちわるいから。 肌が炎症しているときわたしのからだはどこまでも広がる。肌がつるつるのとき、わたしの洋服はしっかりと独立してわたしのからだに乗っている、わたしのアイシャドウも、わたしと分離してきらきらしている。けれど炎症しているとき、それらはわたしにべったりくっついて離れない。駅のホームもわたしのからだになる、雨でぬれた靴で踏まれて、わたしはびくびく痛い。空中もわたしのからだになる、おじさんの吐く息で、わたしはかゆい。 そして白いぱんつしか履きたくなくなる。